Daisuke Kikuchi

楽典

東京藝術大学音楽学部別科を修了。別府アルゲリッチ音楽祭、インチョン&アーツ、ヨーロッパオーケストラフェスティバル、武生国際音楽祭等、 数々の音楽祭に参加。ウィーン・カンマー・ユーゲント・オーケストラ首席奏者、ゾルタン・コダーイ・ワールド・ユース・ オーケストラ副首席奏者として、オーストリア、ハンガリー、 ポーランド、スロヴァキアで演奏活動をおこなう。

プロになった理由

音楽の授業も特別好きでもなく、吹奏楽部でホルンを担当しているだけの中学生の少年が、父のCDラックからたまたま無断拝借したCDが、モーツァルトの「ホルン協奏曲集」でした。
演奏していたのはバリー=タックウェル(Barry Tuckwell)という世界的名手。

彼の芸風は豪放磊落、ロマンティック、ベルベットのような美しい音色。
今の時代では演奏のお手本とするには自由すぎる演奏ですが、ソリストとしての力量は本当に素晴らしいものがあります。
その日から完全に虜となり、毎日通学鞄の中に忍ばせて持ち歩き、学校の音楽室のステレオで聴く毎日。

 尊敬する人を発表する国語の授業で、皆が「お父さん」や「イチロー選手」と発表する中で、ひとり「バリー・タックウェルです!」と答え、先生含め誰も知っているわけもなくというシーンを覚えています。

4曲あるホルン協奏曲で、当時は断トツで第1番の第1楽章が好きでした。
技術的に派手で分かりやすいので、少年には取つきやすかったのだと思います。
現在では第4番の第2楽章がお気に入り。
年齢を重ねるにつれ、緩徐楽章の良さがじわじわ身に染みてくるようになりました。

見様見真似でCDと一緒に演奏して自惚れていましたが、四六時中同じ曲を聴き続けているうちに、いよいよホルンの先生を探し出してプロになる道を模索することに。
これがきっかけで、色々あって今に至ります。
タックウェルの自由闊達な演奏イメージを抱いて演奏の世界に飛び込むわけですから、このあと大変な苦労もすることになりますが、それはまた別のところで…。

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