極上のバッハ・ベートーヴェン・モーツァルト ベストピアニスト 13選

こんにちは。ピアニストの大瀧拓哉です。

皆様、ピアノの個人レッスンを受けたことがある方は、先生から「誰のCD聴いたの?」と言われて困ってしまうという経験はないでしょうか?

そして名前が答えられなくて先生に怒られる…だけど実際誰のCDを聴いたら良いのかよくわからない…。このようなことはよくある話ではないかと思います。

好きなピアニストがいて、そのピアニストのCDなどを聴くのはとても良いことだと思いますが、今勉強中の曲の場合、必ずしも好きなピアニストが録音していないこともありますよね。そのときにただやみくもにYouTubeやSpotifyで検索して、何となく聴いてみる、というのは決して良いことではありません。なぜかというと、特にYouTubeの場合は自由に演奏をアップすることができるので、(大変失礼ですが)下手に参考にしないほうがよいものも多いのです。

ということで、今回は「この作曲家は、このピアニストを聴け!」と言いたくなるピアニストをご紹介します(今回も僕の独断と偏見がふくまれることをご了承ください)。

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執筆者紹介

ピアニスト 大瀧拓哉(Otaki Takuya)

新潟県出身。ドイツ国立シュトゥットガルト音楽演劇大学大学院修了。アンサンブルモデルン・アカデミー(フランクフルト)修了。パリ国立高等音楽院第三課程現代音楽科修了。

2016年フランスで行われたオルレアン国際ピアノコンクールで優勝。フランス、イタリア、ブルガリア、日本、韓国などで多くのリサイタルや音楽祭に出演。

大瀧拓哉の映像レッスンとオリジナル執筆教材は、フォニム ピアノカリキュラムの6ヶ月目・7ヶ月目で好評配信中。
また、ピアノ講座で提出されたホームワーク演奏へのアドバイザーも務めています。
※アドバイスは複数人のチューター陣が担当しています。
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理由とパターンは3つに分けられます。

①ヨーロッパ人の場合、例えばベートーヴェンの直系の弟子の意見や解釈が反映されたりしています。彼らの演奏には「伝統を受け継ぐ」という強い意志があります。

②ヨーロッパの演奏家でなくても、深い教養に裏付けされた優れた解釈により、その後の世界のスタンダードとなるような演奏を打ち立てるような録音もあったりします。それらの演奏を知っておくことは、クラシック音楽を学ぶ上で大変重要なことだと思います。

③(ここは趣味の領域になりますが、)伝統とか優れてるとかを抜きにして、直感を刺激するような個性的で面白い演奏もあります!

作曲家それぞれの名ピアニストをあげるとキリがないので、今回はバロックから古典派までに絞り、各作曲家の名ピアニストたちをご紹介します。

J.S.バッハ

アンドラーシュ・シフ

平均律クラヴィーア曲集第1巻

シフはハンガリー出身のピアニスト。現在もロンドン在住で現役で活躍しています。極上のレガートと愉悦的とも言えるリズム感で、バッハの精神を現代に甦らせるような素晴らしいピアニストです。バッハと言えば対位法(2声や3声)の弾き分けが難しいですが、それぞれの声部が生き物のように歌われ、立体的に演奏されているのがよくわかるのではないかと思います。

スヴャトスラフ・リヒテル

リヒテルは20世紀後半に活躍した、ロシアの巨人とも言える大ピアニストです。

リヒテルのバッハは、バッハの宗教的な側面を強く感じさせるような演奏ではないかと思います。神聖な雰囲気から、受難曲を思わせるような厳しくドラマティックな曲想まで、幅広くスケールの大きな表現が特徴です。

グレン・グールド

グールドはカナダ出身で20世紀後半に活躍した、伝説的なピアニストです。同じ曲とは思えないくらいにシフやリヒテルとは個性が異なることがわかると思います。その強烈な個性からピアノの先生には「グールドの真似はしちゃダメ!」と言われることもしばしばあります(笑)  チェンバロのように1音1音の粒立ちをはっきりと聴かせ、その作品の構造を明確に描き上げます。先入観にも情にも流されることなく、理知的に作品を再構築するその独自の解釈は、死後20年以上経った今でもその作品の新鮮な魅力を伝えてくれます。

モーツァルト

マリア・ジョアン・ピレシュ

ピアノソナタ第12番、作品332 第2楽章

ピレシュは20世紀後半から活躍した、ポルトガル出身のピアニスト。極限まで研ぎ澄まされた音色と、心の奥底から湧き出てくるような表現力は、モーツァルトの美質そのものを表しているかのような説得力を持ちます。

ギーゼキング

ピアノソナタ第11番、作品331

ギーゼキングは20世紀前半に活躍したドイツのピアニスト。非常に美しく細やかなニュアンスに富んだ演奏で、20世紀前半にモーツァルトの解釈の基盤を作り上げた1人と言って良いでしょう。

ハイドン

ブレンデル

ピアノソナタ ニ長調

ブレンデルは20世紀後半に活躍したドイツのピアニスト。深い学術的な解釈に裏打ちされたドイツ音楽の演奏で世界的に信頼を得たピアニストです。強固なリズム感に硬質な音色、理知的な構成力により、「ハイドンの音楽とはこういうものだ」と言わんばかりの説得力のある演奏を聴かせてくれます。

ファジル・サイ

ピアノソナタ ハ長調

サイの演奏は皮膚感覚でその音楽の楽しさを伝えてくれると思います。柔和な音色から鋭いリズムまで、非常に豊かなニュアンスよって心の底からハイドンの持つ楽しさを伝え、驚くべき色彩を与えています。

ベートーヴェン

アルトゥール・シュナーベル

ピアノソナタ第8番"悲愴"

シュナーベルは20世紀前半に活躍したオーストリアのピアニスト。ベートーヴェンの演奏の難しいところは(たくさんあるのですが、特に)その構成力にあります。細かい表情や感情に捉われると全体像を見失いがちなのですが、ベートーヴェンの音楽は全体を把握してこそ見えてくるものがあります。しかし全体の構造だけ意識しても無機質なものになりやすく…このシュナーベルの演奏は、細かい抒情性と全体の構築性の関係が絶妙なバランスで成り立っており、ベートーヴェンの模範のような演奏と言って良いでしょう。

ヴィルヘルム・バックハウス

バックハウスのベートーヴェンは、これぞベートーヴェン、と言いたくなるような、野生的でどっしり、ガッチリした音色で非常に堂々たる演奏です。また完璧なまでの技巧と音色の輝きには驚かされます。シュナーベルとの比較も面白いと思います。

バレンボイム

バレンボイムは現代最高のピアニストの1人とみなされる存在です。ベートーヴェンのピアノソナタ32曲全曲をなんと5回も録音しているという、ベートーヴェンを血肉としているようなピアニストです。全体像をはっきりと見据えた構成力、何よりも自身の声のようにベートーヴェンを表現するその演奏は、伝統を現代に伝える貴重な大巨匠です。

まだまだたくさんオススメがいて書ききれないですが…次のピアニストの古典派の作品も是非聴いてみて下さい。

ダヴィッド・フレイ

マレイ・ペライヤ

(ベートーヴェン:ソナタ”月光”第3楽章)

クララ・ハスキル

(モーツァルト:ピアノソナタ第10番作品330)

バロックから古典派でまずは誰を聴こうか悩んだら、ぜひ上記のピアニストを聴いて、参考にしていただけたら幸いです。
これで人に「誰聴いたの?」と言われても自信を持って答えられるでしょう!

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