ジャズピアノは、何と言っても華麗なアドリブが魅力的です。決められていないからこそ、自由に鍵盤を駆け巡ることができるのかもしれません。圧倒的な技術と、美しい音色を持つ珠玉のジャズピアニスト7人を紹介します!



アート・テイタム

Art Tatum (1909 - 1956)

アメリカ合唱曲オハイオ州出身のピアニストで1920年代にデビュー。ピアノ独奏を中心に活動する。「世界で8番目の不思議」の異名を持つ。



ジャズピアノの原初にして、頂点とも言えるアート・テイタムは数々の伝説的エピソードを残しています。誰も到達できないほどの技術はもちろん、軽妙かつ洒落のきいた音色に圧倒され続けます。

アート・テイタムのソロは、ほとんどがラグ・タイムという形式に乗っており、一切乱れないの左手の伴奏と、めまいのするほどの右手の技巧は人間技とは到底思えません。




ビル・エヴァンス

Bill Evans (1929 - 1980)

アメリカ合衆国ニュージャージー州のピアニストで、1956年にデビュー。ピアノトリオの編成で名作を多く残し、「Waltz for Debby」は世界中で大ヒットとなる。



ビル・エヴァンスの人気は絶大で、歴代最高のジャズピアニストは、と問えばビル・エヴァンスの名を挙げる人も多いのではないでしょうか。ビル・エヴァンスの特徴は技巧というよりかはむしろ自然で優美な音色にあります。どんなに技術的に難しいことをしていたとしても極めて自然で、静謐さえ感じさせます。ピアノ・ベース・ドラムというミニマムな編成のビル・エヴァンス・トリオは、ビル・エヴァンスの魅力を最も引き出しており、必聴です。


オスカー・ピーターソン

Oscar Peterson (1925 - 2007)

カナダ ケベック州出身のピアニストで、1945年にデビュー。アルバム「We get Requests」の「酒とバラの日々」が有名。



アート・テイタムを彷彿とさせる高速のアドリブが特徴で決して音が乱れることはなく、鍵盤の端から端まで自由に飛び回ります。自由自在にピアノを弾きこなすその様は、「鍵盤の皇帝」と呼ばれています。

もちろん、ただ技巧がすごいだけでなく、ピアノ奏法の独創性や、卓越した和声感覚で、オスカー・ピーターソン特有の音楽を作り上げています。


ミシェル・ペトルチアーニ

Michel Petrucciani (1962 - 1999)

フランス出身のピアニストで、1975年にデビュー。名門ジャズレーベルのブルーノート・レコードと契約し、多くのアルバムを作った。1997年には来日もしている。


フランスのジャズ・ピアニストで、クラシック音楽を習っていましたが、途中でジャズピアニストへ転向しました。全ての音に意志がしっかり入った明解な演奏にもかかわらず、クラシックピアノに通ずる音色の美しさとフレーズの優美さは、ミシェル・ペトルチアーニならではの音楽といえるでしょう。


チック・コリア

Chick Corea (1941-2021)

アメリカ合衆国マサチューセッツ州出身のピアニストで、1966年にデビュー。1972年にフュージョン・バンド「Return to Forever」を結成し、2021年現在に至るまで活動を続けている。


チック・コリアほど独創的なジャズ・ピアニストも珍しいでしょう。あるときはクラシック・ピアニストとしてオーケストラと共演したり、あるときはフリースタイルの即興を見せたり、エレクトリック・ピアノを弾きこなしたり、とオールジャンルで活躍します。即興演奏では、その独創性が爆発しながらも、共演者のサウンドも引き立てる類まれな感性の持ち主です。


キース・ジャレット

Keith Jarrett (1945)

アメリカ合衆国ペンシルバニア州出身のピアニストで、1966年にデビュー。完全即興のソロ・コンサート「ケルン・コンサート」は大ヒットし、以降世界各地でこのスタイルの演奏会を開いている。



もともとクラシック・ピアノを習っていましたが、高校時代にジャズに転向してから、圧倒的な才能を開花させました。バンドでの活躍も素晴らしいものでしたが、ソロ・ピアノは特筆すべきものがあります。1972年からキース・ジャレットは完全即興のソロ・コンサートを行うようになり、高い技術はもちろんのこと、ジャズとクラシックの精神を融合させたような耽美な音楽は世界中で高い評価を受けました。


上原ひろみ

うえはらひろみ (1979-)

静岡県出身のピアニスト。1995年にチックコリアに見出され、1999年に渡米する。2003年に「テラーク・レコード」と契約して、以降日本とアメリカを中心に活動を続けている。



日本の誇るジャズ・ピアニストです。力強さと情熱のなかに遊び心が入ることで、どこまでもカッコよく、そして楽しいと思わせる演奏が魅力です。それを支えるのは正確無比な技術と、音色の幅広さでしょう。こんな音楽をしてみたい!と思う方は多いのではないでしょうか。

フォニムのピアノレッスンでは、初めての方でも、1、2ヶ月目のカリキュラムからポップス・ジャズのフレーズを通して楽しくテクニックの習得を行っていきます。