ピアノは数ある楽器の中でも最も身近な楽器でしょう。小学校には必ずピアノがありますし、近所にはピアノ教室に溢れていて、テレビでも聞くことが多いです。

ただ、巨大な楽器でもありますから、なかなか手に入れるにはハードルが高く、また鍵盤数もものすごく多いため、弾きこなすのは非常に難しそうに感じます。


 ただ、最近は電子ピアノの登場によって、より簡単にピアノの演奏を試せるようにはなってきました。

もしあなたが電子ピアノを持っていて(もちろんフルコンサート・グランドピアノでもOKですよ!)、でもなかなか弾けないとお悩みでしたら、こちらの無料レッスンでピアノ・テクニックを伝授しましょう。

全くピアノ経験がなくても、オーケストラさながらのサウンドを作り出すことができます!


左手が伴奏・右手が旋律


 ピアノの基本は、左手が伴奏、右手が旋律という両手の分担です。

ピアノは左側が低い音、右側が高い音になっていて、低い音の土台の上に、旋律を作ることになります。


まずは、次の鍵盤の位置を左手で探り当ててください。

なお、低いほうの音が、高い音のほうがになります。楽譜にすると次のようになります。



楽譜が読めない方も安心してください。参考程度にしていただければ大丈夫です。


もし、左手が広がるという方は、次のように弾くと、より迫力がでます。(小指、人差し指、親指で弾いてください)



なお、楽譜にすると次のようになります。



まだ迫力が全然足りない?まあまあ焦らずに行きましょう。左手の伴奏はこれで完成です。右手の旋律を作ってみましょう。

親指、人差し指、中指、薬指、小指を鍵盤の次の位置に乗せてみましょう。


なお、ピアノでは、伝統的に親指から小指まで1,2,3,4,5と番号で呼びます。



いま指を置いた場所は、下からファ♯ソ♯ド♯となります。少し複雑ですが、時間をかけても良いですから、ゆっくりとこのポジションを確保しましょう。


なお、指を置いた場所は、楽譜上では次のようになります。



とりあえず、今はあまり難しいことは考えず、このポジションを確保してください。

それでは、左手で先ほどの音を弾きながら(一回だけ鍵盤を押し込んで、そのまま保持すればOKです)、右手の指を


432123

432123

434535

4321


と動かします。(一定のリズムでゆっくりと弾きましょう)

この旋律をご存知でしょうか。グリーグ作曲の「ペールギュント」より「朝」の旋律です!



なお、ここまでを楽譜にすると、次のようになります。すでに本格的ですね!もうあなたはこの楽譜を弾けています!



右手の動きがぎこちなくなってしまいますか?コントロールが難しいですか?そんなときは、ペダルを踏みっぱなしにしてしまいましょう。電子ピアノには sustain ped. というペダルがついていることがほとんどですので、それを踏みっぱなしにしてもう一度弾いてみましょう。ぎこちなさは少し消えて、豪華さがグッと増えたはずです!


(このペダルの使い方は劇薬ですので、ピアノを本格的に練習するときにはほどほどにしましょう・・・)

伴奏に動きをつける


さらにここから左手に動きをつけていきます。まずは、小節毎に弾きなおしてみます。

右手の指を先ほどの通りに動かし、改行したタイミングで左手を弾きなおしましょう。(なお、1行で1小節となっています)


32123

32123

34535

321


そして、ここからが少し難しいのですが、3小節めの 5 3 5 のところで、左手の人差し指を少し動かして、次のように弾いてみましょう。


このとき、5と1の指、つまり小指と親指は動かさない、と思うと楽に弾けます。

4小節目に入ったら、また、元のミ・シ・ミに戻しましょう。


32123

32123

3435 (ここの5でミド♯ミに変える!)

321


ここまでを譜面にすると、次のようになります。

なお、ペダルを使っていた方は、左手を弾きなおすたびに、ペダルも踏みかえましょう。左手と右足が同じ動き、と思えばOKです。


すでにオーケストラのような壮大な響きが聞こえませんか!

右手のポジション移動


それでは、次に進んでみましょう。今、右手の置いているポジションを全く形を変えず、1オクターヴ下に移します。つまり、次の位置になります。


今回は探し当てるというよりかは、平行移動、というイメージで行きましょう。これで、3小節の半分までは同じ動きをします。


32123

32123

34

最後に、ここまで弾いたら、右手のポジションを次のように移動させます。


そして、ここから、


    14

5321


このように弾きましょう。旋律の途中でポジションを移動することになります。これができれば、超初心者は抜け出せています!


とはいえ、ここは難しいところですので、ゆっくり鍵盤を見ながら確認していきましょう。


この部分の4小節めの5に合わせて左手を次の位置で弾けば、このフレーズも完成です。


はじめから通して譜面でみると次のようになります。


楽譜を読むのが難しい方は、指使いの番号のみを追うように見てください。正しいポジションを取って、正しい指を動かせば、正しい音が鳴るはずですので、ゆっくりと確認しながら弾いてみましょう。


さらに次に進みます


ここまで、どうでしょうか。ポジション移動や左手の位置を探し、右手に合わせて弾く、というのは難しいことですよね。ただ、もしここまで弾けてしまったのなら、次も同じ練習方法で弾くことができます!

練習方法はどんどんリサイクルしましょう。


左手は、すべて 5 2 1 の指使いで弾きます。右手は最後だけポジション移動がありますので、それに気をつけて、ゆっくりと指使いを見ながら練習しましょう。


ペダルは、左手と同じタイミングで踏みましょう。(左手よりほんのわずかに遅らせると、より澄んだ響きになります)


クライマックスを作ろう

ここまで弾き終えたら、ここからクライマックスを作ってみましょう。(是非オーケストラの音を聞いて真似てみてください)



ポジションは16小節目に作っていた最後のポジションと全く同じです。

ここから、だんだんと音量を上げていきましょう。


音量を大きくするコツは、腕から手首、そして指にかけて、体重をかけていくことです。大きい音というのは、効率よく体重が音に変換されている音、というイメージを持ちましょう。叩くように弾いても、割れた音はでますが音量は出ません。


音量を最大にまで持って行ったら、冒頭に戻ってきます。しかし、今回は出せる限りの音で弾いてみましょう!




「f」と書いてあるのは「フォルテ」と読み、「強く」の意味です。

この「f」という記号に込められた表現力は爆発的なものです。

日常生活のなかでは滅多に現れないような激情・感動・壮大さがこの記号一つに入っています。 ピアニストが弾くフォルテを聞いたら、きっと圧倒されることでしょう。(さらにそのうえの「ff(フォルティシモ)」という記号もありますが、「f」という記号だけで、爆発的な表現なのです)


ピアノの練習を始めてみよう

ピアノを初めて触るには壮大すぎる選曲だったと思いますがいかがだったでしょうか。ピアノは恐ろしく幅広い表現力で、様々なジャンルの曲を弾くことができます。一つの楽器で、数百の楽器の音色を模倣することができます。


もちろん、それに至るまでには、磨かなければならない技術がたくさんありますが、是非その第一歩を踏み出してみましょう。


今回のグリーグの「ペールギュント」より「朝」の楽譜を載せました。是非挑戦してみてください。

(弾きやすいように編曲しています)




ピアノ初心者のよくある疑問

おすすめの本はある?

ピアノ初学者向けのテキストといえば、バイエル、ハノン、ツェルニーなどが有名です。

最近ではさまざまな教則本がでていますが、やはり圧倒的にバイエルやハノンのほうが有名です。

これらの教則本はどのレベルから使えるのでしょうか?独学でも使えるのでしょうか?こちらの記事でバッチリ解説します。

初心者が買うべきピアノの鍵盤数は?

もともとピアノの一番右端、一番左端の鍵盤は飾りのように付いており、実際に弾くことは(現代曲などを除いて)ほとんどありません。

グレードのよい電子ピアノでは、共鳴の要素までナチュラルに再現がされていますので、これから始めるという方の場合は、弾くうえで指がはみ出る…ということだけ防げる鍵盤数があれば問題ありません。

こちらの記事で、どんな曲なら具体的に小さめのピアノでも弾けるのかご紹介します。

フォニムって何?

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幅広い音楽知識も身につけながら、自分のペースでリラックスして練習を進めましょう。

はじめての方にも、お久しぶりの方にも。