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インタビューシリーズとして、Phonimの講座に出演する世界的なアーティストの皆さんから、主に海外での活動についてお話を伺います。


今回はバイオリンの講座に出演する上敷領藍子氏!


オランダ・マーストリヒト音楽院で学んだ彼女。

出身の大阪を中心とした様々な演奏活動のかたわら、自らの動画発信によって、一見近寄りがたい印象もあるバイオリンの世界が、より身近になるような活動も積極的に行われています。


幅広い海外経験を経て、いま感じていることを、たくさん伺ってきました。


音楽との出会いを教えて下さい

母がピアノをやっていて、7歳上の姉もピアノをやっていたので、母のお腹にいる時から音楽に触れていたのだと思います。

4歳から私もピアノを習いたいと自分で言いスタートしました。




その後、たまたま、知り合いの方のコンサートに伺った時が、私にとって初めてのバイオリン体験でした。


その音色の変化とか音質に魅せられて、ちょうど7歳半くらいの時に、自分もバイオリンを習いたいと言い出したそうです。

自分では覚えていないのですが母から聞いた話です。


7歳半というとバイオリンをスタートするにはかなり遅い年代でしたが、当時はそんなことは全く知らずに始めました。


ちょうど同級生にバイオリンを習っている子がいて、私より一回り身体の大きな子だったので、もう使っていないバイオリンをお借りして弾き始めたというのがきっかけです。



今まで訪れた国で一番好きな国とその理由は?

いろいろな国を回りましたが、私は日本が一番好きですね。

日本以外の国でいうなら、ベルギーのブルージュという街がいちばん好きでした。


川が流れていて緑が多くて白鳥が泳いでいて。

本当に自然豊かな街に古い建物が立ち並んでいて人間の手が加わり過ぎていない、というか自然が大切にされている状態がとても好きで、とても印象深く残っています。


あと、北欧フィンランドのフィスカルス(フィスカース)という町なのですが、そこで日本人の知り合いの人がお住まいになられていて、フェルト・アーティストとして活動されていました。


そこに遊びにいかせていただいた時に、本当に自然の中にあって、1軒1軒が2キロくらい離れているんですね。

隣の家どうしが全く隣接していない状態です。


それぞれの家には、本当にイメージ通りのサウナや広々とした庭がありました。

それも、彼らは庭と呼んでいましたが、もう野原と言ってもいいような感じで(笑)。


人間が手を加えていない状態の広々とした庭があり、そこでお食事をとったりします。



私が訪れた家には庭に湖があり、湖のそばにはサウナがあって、そこに入ることができました。非常に素晴らしい景色だったのを覚えています。


あそこの街はまた行きたいなと思いました。

あの景色は日本では見れないな、と思います。本当に心が癒される場所でした。


すごく静かな空気で車もほとんど走っていなくて、音も鳴っていなくて鳥のさえずり、木々の音とか、自然の音が常に聞こえてきたことを、今も思い出します。

ステージに立つ時と普段のおしゃれ、ファッションのこだわりポイントが有れば教えて下さい


私は落ち着いた色合いのものを着る事が多くて、水色や黄色を着ることはあまりないですね。


肌の色に似合わないということがいちばんの理由です。

濃いワインレッドや緑、紺色や黒を好んで着ます。


舞台の上での場合は、色そのものの鮮やかさよりも、より自分に合ったものを着た方が、舞台に立った時の輝きがより出てくるものだと思っています。




普段のファッションに関しては、実はこだわりがなくて、楽に着れるものがよい、というのが正直なところです(笑)。

実は足がむくみやすいということもあり、締め付きがきつい服やジーンズが好きではなく、体を自由に伸ばしたり曲げたりできる服を好んで着ています。



だからと言って何でもいいというわけではなく、やはり、舞台と一緒で自分に似合う色を選んで着ますね。

やっぱりオレンジや黒や紺色で、割とはっきりとした色合いのものを着る事が多いです。





唯一、いちばんこだわりを持っているのは、パジャマです。

寝返りを打つときに服がガサガサ引っかかってしまって、寝返りをうちにくい状態が好きでないのです。


睡眠が浅くなってしまうので、ツルッとした素材のものを選んで寝返りをうちやすくしています。そうするとストレスがなく寝やすくなる気がします。


最近みた、素晴らしい景色、瞬間を聞かせて下さい

最近見た景色で一番素晴らしいなと思ったのは、先日岡山に録音があって行ったのですが、そのとき帰りに湯原の方に寄りました。

その時に泊まった旅館からの眺めが本当に緑と川しか見えない状態でした。


私は緑がとても好きで、山や雑木林など何か自然というものにとても心を癒されます。

あそこまで景色一面何も遮るものがない状態で部屋から川と木々が眺められるというのはとても自分の中では珍しいです。




また、素晴らしい瞬間といえば、最近演奏会をしました。

バイオリンとピアノの2重奏だったのですが、須関裕子さんという素晴らしいピアニストの方で。


須関さんと弾いたのは2回目になるのですが、音での対話というのがリハーサルの時から非常に強く感じられました。


素敵な対話ができるピアニストの方との演奏の瞬間というのは、何事にも変え難いです。

言葉にするのは本当に難しいのですが、ワクワクしたり喜びだったり、刺激だったり、一言で言って素晴らしい瞬間でした。



色々なピアニストのタイプがいますが、彼女とのリハーサルは長時間行いません。

あえて細かいことは決めすぎず大きな流れだけを決めて、あとは本番のフィーリングに任せて演奏する、という事を二人で徹底しました。


実際に本番になるとリハーサルでは思いつかなかったアイデアや感情がふっと湧き出て、遠慮せずに私が出すと、須関さんがパッと反応してくれたり。


逆に須関さんがいつもやっていなかったニュアンスを演奏されると、それに対して私は、ならこういう風に演奏しよう、と思ったり。


音楽の対話が生まれることを目指してやって見ました。

とても素晴らしい瞬間で、まるで昨日のようにありありと思い出す事ができます。

上敷領 藍子氏 プロフィール

東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学音楽学部を三菱地所賞を受賞し首席卒業。同大学大学院修士課程を修了。2011年よりオランダ・マーストリヒト音楽院にて研鑽を積み、特別賞を得て首席卒業。

これまでにポーランドクラクフ室内管弦楽団、大阪センチュリー交響楽団、オーケストラアンサンブル金沢、藝大フィルハーモニア管弦楽団等と共演。2012年度上半期、野村財団奨学生。現在、昭和音楽大学合奏研究員。

上敷領 藍子氏の講座


自分のペースで気ままに、でも本格的な内容で楽しめる。「こんなレッスンを受けてみたい!」を形にした講座です。

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