シニア世代がとくに気になる「ボケ防止」対策や「認知症の予防」方法。近年、脳をトレーニングするための50〜80代向けのドリルや、スマホやポータブルゲーム機で楽しめるアプリなども増えてきました。

実は、音楽を演奏している時にも、脳の活性化がうながされていると言われており、楽器演奏と脳の老化予防効果は、現在も世界中の脳科学者たちによって研究が進められています。

なかでも、音楽初心者でも比較的はじめやすい「ピアノ」を例にとって、ピアノがシニア世代にもたらすメリットをご紹介していきます。

メリットその1:脳トレになる

ピアノを演奏する際は、ご存知の通り、手の10本の指がさまざまな動きをしてピアノの鍵盤を鳴らします。また、強弱をつけたり、難しいフレーズを弾きこなしたりする場合には、指で鍵盤へのタッチを変化させて表現します。さらに、左右の手は異なる動きをし、ときには左右の手を交差させて演奏することもあり、動きはさらに複雑化します。

このように、ピアノは指を最大限に使用して演奏するため、脳の言語などを司る「側頭葉」という部分が働き、活性化し、脳細胞が刺激されるのです。

脳トレに特化したピアノの教科書や楽譜が、楽器店やネットショップなどで販売されています。初心者にもやさしい内容のものもあり、ピアノ教室に通うのが億劫な方でも、おうちで手軽に始められそうです。

メリットその2:瞬発力が鍛えられる

ピアノを弾くには、楽譜が必要です。楽譜を見ながら音を出していきますが、初心者の方は、【楽譜を見る→鍵盤を見る→手の位置を確認して鍵盤を鳴らす】という行程をくりかえします。

そうすると、次第に、次の小節の音はなんだったかな?と、前の小節の音を弾きながら楽譜を見るようになり、この一連の動作は、慣れてくると瞬発的に行えるようになります。

スペインバルセロナ大学の研究では、4ヶ月にわたって毎日ピアノのレッスンを受けた13名の被験者は、他のレジャー(エクササイズ、コンピュータのレッスン、絵画のレッスンなど)を受けた別の16名の被験者に比べて、脳の実行機能を測定するテストや、ランダムに散らばる数字を1から順番に線でついなでいくテストなどにおいて、ピアノのレッスン後に改善が見られたと報告しています。

これは、自己を抑制する能力や情報処理スピード能力、また、目標物を見つける能力や運動能力が強化された結果として証明されています。

目が音符を見て、脳が認知し、手に指令を送り、手が動く。早くなればなるほど脳は活性化されます。このような瞬発力は、日常生活にも活かされ、ケガや事故の防止にもつながります。

メリットその3:運動の代わりにもなる

さて、ここまで読んでくださった内容から、ピアノは手と指と目だけを動かしていれば弾けるもの、と思っておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ピアノの演奏には、じつに全身の筋肉を使います。高音域や低音域の鍵盤を奏でるための首や腕はもちろんのこと、ペダルをおさえるため足の力も大切です。さらには、頭や上半身は軸をぶらさないように腹筋や背筋、体幹を使ってしっかりと支える…など、まさに全身運動といっても過言ではなのです。

ピアニストともなると、曲や強弱などによって、全身の筋肉を自在にあやつり、脱力させたり、あるいは腰や丹田から力をいれて迫力のある表現をします。

頭と身体を使って、はじめのうちは短時間で疲れが出るかもしれませんが、これも慣れてくると、1時間、1時間半、2時間とほとんど止まらずに練習をつづけることができるようになります。

ウォーキングやテニス、グランドゴルフなどのスポーツを老後の趣味にしている方が多いですが、室内の涼しい環境で身体を軽く動かしながら楽しめる趣味として、ピアノは断然オススメです!

メリットその4:記憶力の向上につながる

ピアノ演奏のレベルが上がってくると、ある程度、旋律や和音を覚える必要のある曲にも出会います。右手の旋律が複雑な動きをしていて、そのあいだ右手の伴奏している左手の音形を完全に覚えてしまって、右手に集中したいときなどです。

脳の側頭葉の内側にある領域「海馬」は、記憶力や空間学習能力に関わる部位です。海馬の体積が大きいほど、記憶力に優れた脳であると言われています。

発表会やボランティア演奏会などで演奏を披露する際には、楽譜を暗譜して挑むと、海馬に良い影響を与えて、記憶力がさらに向上するかもしれません。

メリットその5:音楽には癒し効果がある

「音楽療法」という学問の分野があるように、音楽には、人をリラックスさせたり、活力をわかせる効果があります。記憶障害の方が、音楽を聴くと、その曲にまつわる記憶を思い出すことができたという事例もあり、子どもからご高齢の方まで、音楽によって心身の障害機能の回復や、生活の質の向上が期待できます。

音楽を聴いて心が癒されたり、カラオケや鼻歌を歌って気分が晴れたりした経験があるかと思います。好きな曲をピアノで弾きながら歌うことを目標に、教室に通うシニア層も多くいらっしゃいます。

目標ができると、実現に向かって突き進むことで自然と生活も楽しくなり、有意義な時間を過ごせそうです。

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また、詳しい音楽と脳の関係については、フォニムの協力企業であるneumoがより詳しい記事をまとめています。以下の記事・サイトも合わせてチェックしてみてください。

最新の脳科学研究から〜ピアノ練習は脳の老化予防に効果〜

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